タイで「買い物代行」に挑戦
初めまして。
タクヤと申します。
タイ在住歴20年の52歳のオヤジです。
タイ人妻と子供2人の4人家族で、バンコク郊外の一軒家に住んでいます。
現在、タイで個人事業主としてインターネット通販事業を営んでいますが、ここに至るまで様々な副業をタイで経験しました。
今を遡ること20年前、日本でのサラリーマン生活に嫌気がさし、フラリと一人でタイに遊びに来て、ノンビリするも、半年くらいで日本から持ってきた金が底をつき始めました。
そこで日本へ全く帰る気のないグータラな私は糊口をしのぐため、日本語学校で日本語教師になりました。
ですが、薄給ゆえ生活がままならず、日本に住む日本人相手に「買い物代行」という仕事を初めました。
「買い物代行」というのは、そもそも家庭の色々な雑務ををその家の人に代わってやる「家事代行」の一種です。
私の場合は、タイの物品を日本の購入希望者の代わりに買って送るという「海外買い物代行」です。
今、日本には多くの「中国人買い物代行業者」がいて、日本の化粧品とか電化製品とか、ブランド品などを買い込んで、中国の購入希望者に送っていますよね。
私がやっていたのはそのタイ版で、タイの商品、主に衣料品を日本の購入希望者に、せっせと送っていました。
タイの商品を売るための「ヤフーオークション」
日本とタイの物価格差のおかげで、当時はそこそこ儲けることができました。
とは言っても、初めた当初は、日本人がタイのどんなものに興味があるのか、どんなものが欲しいのかよく分かりません。
そこでまず、ヤフーオークションの出品品目の「代行」というカテゴリーに、「タイの様々な商品をあなたの代わりに買って送ります。」というタイトルで、代行料2000円で出品しました。
しかし、タイトルも内容も漠然とし過ぎているためか、全然、落札されません。
悩んだ挙句、「まぐまぐ」からメールマガジンで、タイの現地情報を発信することにしました。
ここで色々なタイでしか手に入らない商品、例えばシルバー関係とか東南アジア風の奇抜な衣類や、タイシルクなどの雑貨を中心に紹介し始めました。
タイが好き、タイに興味のある人しか、そんなメールマガジンは購読しませんので、そこから何件か問い合わせがあり、「買い物代行」という副業が少しづつ成立していったのです。
【タイの買い物代行】失敗から儲けを出すことに成功
しかし、これ、副業にするまで結構たいへんでした。
メールマガジンの購読者は、日本で衣料品関係の仕事をしている人たちでしたので、タイの衣料品について色々調べて欲しいと頼んできます。
毎日の日本語教師の仕事の合間をぬって、タイ衣料品の卸売り市場を何件も回ってデジカメで写真をとって、価格を調べ、メールで送信するので時間も手間ひまも結構かかります。
日本語教師の仕事がない土日は朝から夜まで、依頼者の要望に合うような商品をカメラ片手に探し回りました。
でも衣料品ですから、写真でイメージは伝えれても品質の良し悪しは伝えることができません。
要望に近い商品を自腹で何点か買って、送ったりもしました。
時々、やっていて「これって遊ばれているだけではないのか。」と思ったりもしましたが、とにかく乗りかかった船だと思って、やりました。
そういうのが信頼してもらえたようで、最初Tシャツの注文を数百枚単位でもらった時は、とても嬉しかったです。
お金のことよりも、自分のやってきたことが仕事につながった、ということに安心したというのが正直なところです。
仕事を作る場合、あまりお金のことは考えずに、やるべきことをやるという考えでやった方が、うまくいくのではないのかと思います。
信頼してもられれば、お金の話は後からできます。
今の「海外買い物代行」で交通費とか別で代行料3000円とか5000円とかが相場みたいです。
私の場合は、検品、梱包、発送まで請け負っていたので、1着につき100円~200円のマージンを頂いていました。
1回の注文のオーダー数が少ない時で数百着、多い時で千着を越える時もあったので1回注文を頂ければ、収入がおおよそ5万円~10万円ぐらいになります。
3件ぐらい固定の依頼者がいたので、多いときでは1か月20万円~30万円ぐらいの収入です。
タイの物価で20万円とか30万円というのは大金です。
現地通貨に換算すれば、6万バーツから10万バーツくらいになります。
タイの大卒初任給が当時2万バーツくらいで、4万バーツあればタイ人では高給取りの部類に入ります。
何か、凄くリッチな気分になりました。
買い物代行は大きく稼げるチャンスがある
ただ、毎月、注文が入るという訳ではありません。
タイですから、衣料品はほとんど夏物ばかりです。
注文が入るのは日本の4月から7月くらいまでの長くても4か月間ぐらいだけなので、この間、稼げるだけ稼ぐという感じです。
1回、依頼されれば、大きな失敗をしない限り、継続的に依頼されます。
このやり方で、継続的な収入を得れるようになりました。
しかし、人生甘くありません。
そうこうするうちに、日本は未曾有のデフレに突入し、安さが売りのタイの衣料品は決して安くなくなり、円安がそれに追い討ちをかけて、日本からの注文数も減って私の収入も激減。
3年ぐらい「現地買い物代行」の副業をやりましたが、日本の依頼者は全部廃業し、私の「衣料品買い物代行」の副業も徐々に先細りし、自然消滅という結果に終わりました。